年を越す前に、アニメの鋼の錬金術師について語ろう。

鋼の錬金術師』とは、月間少年ガンガンで連載中の大人気漫画である。


ちなみに、RYUUは原作を未読だ。(ここで全員ズッコける)


※故に、これは『アニメ版のみ』を見た人間の率直な感想である。
このあたり、漫画のファンの方々と比べて若干の温度差はご了承いただきたいです。


さて、この『鋼の錬金術師』、非常に良作だったと思う。


評価する点を列挙するとすれば、
1.原作が未完にも関わらず、そこそこ上手に完結させている。
2.作画の乱れが非常に少なかった。
3.キャラに合った声優の人選と彼等の演技の見事さ。
4.近年の作品に珍しい、直接的なバイオレンスストーリー+アクション。
5.OP、EDを四本ずつ変えてくる気前のよさ。


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1は最後に語るとして、まずは2。
私は作画の乱れが、結構気になる。
私が見た範囲で、この作品の絵が崩れた回は無かった。驚異的だと思う。


3、声は絵と同じくらい大事だと思う。
声優自身の人気度とは関係なしに、キャラに合わせた人選を感じた。(実際は分かりませんけど)
上手だったと思います、演技。


4、「これを土曜の夕方にやるのはどうだろう?」と思うくらい、現規制ギリギリの表現が良かった。
物語自体、とかく人体が欠損したり、いくらストーリーの流れとはいえ某中佐(のちの准将/笑)をあっけなく殺してしまったり、その気風の良さがたまらない。


5、少ないよりは、多い方がいい。
歌手も実力派が多かった……ような気がする。


最後に1。
やはり比較論になってしまうのだが、「漫画原作」でそれも「連載中」となると、アニメは必ず原作に追いついてしまうので、「無理な引き伸ばし」で作品自体が壊れることが多い。
人気のある作品だと、しばしば行われる悪行だが、この点、本作では『引き伸ばし展開』から手を離して、完全に『アニメ版の独自のラスト』を仕掛けたスタッフは評価に値する。


勿論、原作を無理矢理終わらせるので、途中で性格が変わってしまうキャラが出てきたり、首を傾げるような箇所も後半には随所に見受けられたが、元々登場キャラの性格はどこか病んでいたためもあって(笑)、許容範囲に落ち着いた。


ホント、あの最終回については賛否両論あると思うが、後から考えてみれば、原作で終わってない話を終わらせるには、あの形しかないのではないか、と思う。


さらに言えば、スタッフ達は既に鋼キャラを自分のモノにして、自分達が原作者の如く動かせる立場になっていたように思える。
いわば、これは『もう一つの鋼の錬金術師』でいいのではないか。
(それがアニメスタッフの僭越かどうかは別として。)


……特に原作に思い入れが無い私は、そう思ってしまうのです。


それで、続編にあたるという映画ですが。
観る人は、むしろ子供の方が少ないのではないでしょうか。


堂々と観に行っても大丈夫だと思います、十時嬢。(笑)