第四章第五話(2)更新。

 脳漿に、どれだけの語句が涌いてこようが、肉骨を削ぎ落とし、選別せねばならない。
 推敲とは、まさに狂気の作業である。



 今回ほど、読者を信用した編集は無い。
 限界まで演出と台詞を削り、なおかつ作者としての主張も削った。


 おかげさまで、文量は、当初の約半分。


 途中、用意した脚本を捨て。
 ここまでキャラクター達に流れの全てを委ねたのは、初の試みだったが、これはこれで良い。



 元々、自分はその場の全てを描写せずに、読者の方に考える余地を残す文章を心がけている。


 ちょっと読みかじったり、流し読みする程度で、全てを理解できるような作品は、文学ではない。
 そう思っているのだ。


 だから、オンライン作品として気楽に読める面も残しつつ、深読みしても面白い作品が理想である。



 そういった点でも、この少し短めな更新は、自分にとって非常に興味深いイベントとなった。


 長い全体の中の、たった一部分だが、今回の苦労は一生忘れまい。