呪怨。
肌の白いガキが怖すぎ。(挨拶)
イヤ、シナリオ的にはどうということなくて、これが映画か?と思わせるくらいの出来でしかないんですが、出演者の演技が凄すぎる。
一体、何回くらいNGを出して、納得いくものに仕上げたのだろうか。
想像がつかない。
これは映画ではなく、「いかに観客を怖がらせるか」に重きを置いた「お化け屋敷」に感覚が近いと思う。
全く新しいエンターテイメントを創造したことに、正直感服した。
実は監督、大の「怖がらせ屋」で、昔から人をおちょくってビビらせていたらしい。
『あの劇中の霊の『ガガガガガガガガガ……』てやつ、あのまんま、子供の頃やってましたョ。』とは監督の家族の談。
そういう裏話を私は事前に知っていたので、この映画の細かい演出には、なるほど納得である。
場面場面に、さりげなく幽霊を登場させて観客を「ドキッ」とさせる技術に特出しているのだ。
今回はTVでの視聴だったが、これが大型スクリーンだったら……ちょっと身震いする思いがする。(苦笑)
ところで、日本人の怖さの対象というのは、世界でも特異ではないだろうか。
自分の暮らしている家屋で本気でビビれるというのは、おそらく日本人しかおるまい。
ボケた老人、散らかった部屋、天井裏に押入れ、軋む階段、黒猫と陰湿な男児。
日常のリアルな恐怖を下地に、日本人が根本的に腹底に溜めている恐怖を裂いては引き出す、そんな映画だった。
良作である。
是非とも、ハリウッド版「THE JUON/呪怨」も観たい。